私が最も好きな画家、トゥールーズ=ロートレック。
色々な美術館でロートレックのグッズを見つけるにつけ、ちょくちょく買い集めたものが増えてきたので、写真多めでご紹介しちゃいます♪という、ただただ自分が眼福なだけの記事です。笑
とはいえ、さすがポスター芸術の傑人ロートレック。「素敵~!」と思ってしまうようなグッズばかりなので、さらっとでも覗いていってくださると嬉しいです♡
ロートレックの生涯
1864年、フランス南西部アルビの名門伯爵家に生まれたロートレック(アンリ・マリー・レイモン・ド・トゥールーズ=ロートレック=モンファ)は、「小さな宝石(仏: Petit Bijou)」と呼ばれ家族から可愛がられます。
しかし、13,14歳のときに足を骨折して以来、足の成長が止まるという障害を負います。
貴族社会を出て、パリ・モンマルトルの歓楽街に居場所を見出した彼は、卓越した観察眼とデッサン力を駆使し、芸人やダンサー、娼婦たちを描きます。
アルコール依存や梅毒によって心身共に憔悴していた彼は、36歳という若さでこの世を去ります。
私が考えるロートレックの魅力
私がロートレックが好きな理由のひとつは、モデルの内面や性格までも抉り出すような描写に優れているな…と思うためです。
ロートレックは、当時のスターたちを時に容赦ないデフォルメと誇張を加えて描きました。
「どうしてかわいい女性をあんなに醜く描くのか教えてください」という質問に、彼は「それは彼女たちが醜いからです」と答えたのだそう。
さすが…上っ面だけを見ているのではないんですね。本質を見抜く、優れた観察眼を持っていたのでしょう。
もう一つは、速く正確な筆遣いによって、普通の人なら見落としてしまいそうな一瞬を、スナップ撮影のように切り取る技術があるためです。
彼のデッサンを見ると、モデルの流れる動作、その場の空気感までが伝わってくるようで、ドキッとしてしまいます。
また、それらの才を持ったロートレックが生み出すポスター作品も、簡略化された線、空間、色、レタリングの融合が素晴らしいな…と素人ながら惚れこんでいます。
これからご紹介するグッズは、ほぼポスター作品からです(そもそもグッズ化されているのが比較的ポスター作品が多いと思います)。
★ロートレックが足繁く通ったパリ・モンマルトルにあるキャバレー、「ムーラン・ルージュ」は現在も人気の観光スポットとして営業しています。
★映画「ムーラン・ルージュ」には、ロートレック(演:ジョン・レグイザモ)が登場しますよ。彼が生きた時代に思いを馳せるとともに、ユアン・マクレガーの歌唱と、ニコール・キッドマンの圧倒的な美貌にやられます。大好きな映画。
私のロートレックグッズコレクション
まずは、学生時代からいろいろな美術館のミュージアムショップで買い集めたロートレックグッズ達です。
それぞれ宮城県美術館、大原美術館、三菱一号館美術館などで購入しました。
そして以下のものは、三菱一号館美術館の「パリ❤︎グラフィック―ロートレックとアートになった版画・ポスター展」で購入した品々です。
これから、すべてのグッズをひとつずつ、軽く作品の解説も交えながらご紹介していきます♪
クリアファイル
宮城県美術館で購入した《ディヴァン・ジャポネ》のクリアファイルです。
《ディヴァン・ジャポネ》はどのような作品かと言いますと…
パリ・モンマルトルのカフェ・コンセール「ディヴァン・ジャポネ(日本の長椅子)」は、日本風の内装と着物の店員が売り物だった。本作の画面を斜めに横切る構図と単純化された形態にも浮世絵の影響が感じられる。観客席にジャヌ・アヴリルというスターを座らせることで、「有名人も通う店」というイメージを印象付けることに成功している。舞台上には、イヴェット・ギルベールを、黒い手袋を着けた姿で暗示的に登場させている。
「三菱一号館美術館コレクション〈Ⅱ〉トゥールーズ=ロートレック展」図録から引用
日本的なものを受け入れ、喜多川歌麿の浮世絵にも影響を受けたロートレック。日本風カフェのポスターにも、その影響が見て取れますね。大胆な構図と無駄なく抽象化された表現が目を引きます。
こちらのクリアファイル、観賞用と普段使い用の2枚購入し、大切に使っております。もう1枚買えばよかった…。笑
ポストカード
左《ディヴァン・ジャポネ》と右《アンバサドゥール、アリスティド・ブリュアン》のポストカードです。
アリスティド・ブリュアンは、労働者社会の人生を歌った人気のシャンソン歌手です。黒いビロードのスーツ、かかとの高いブーツ、黒いケープと緋色のスカーフ、つばの広い帽子が特徴です。
ブリュアンはロートレックに4枚のポスターを依頼しており、こちらは最初のポスターで、「アンバサドゥール」にゲスト出演したときのものですね。
ちなみに、《ディヴァン・ジャポネ》のポストカードが収められているのは、岡山県倉敷市の大原美術館で購入した紙製の額縁(ペーパースタンド)です。
表面はざらっとした質感の紙で、ぱっと見、紙には見えません。
「OHARA MUSEUM OF ART KURASHIKI」の金色の刻印が入っています。
上部から作品を入れることができます。縦にも横にも使えますし、軽いので落下しても危なくないので、おすすめですよ〜。
パズル
《アリスティド・ブリュアン》のパズルです。
こちらの背中を向けたブリュアンの図柄は、入れる文字を変えて様々な目的で使用されたそうですよ。これはキャバレー「ミルリトン」に出演したときのものですね。
裏面にはスタンドが付いているので、立てて飾ることができます。私は、劣化するのが怖くて、袋にしまったままです。飾らないともったいないですよね…笑
コースター
左《アンバサドゥール、アリスティド・ブリュアン》、右《ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ》です。
《ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ》は、ロートレックの作品の中でも、最も有名なのではないでしょうか。皆さんもどこかで目にしたことがあるかもしれませんね。
ロートレックの最初のリトグラフにしてポスター第1作目。…スター・ダンサー二人を中心に据え、ホールの人工照明と観客のシルエットを効果的に配して、大胆な構図と色彩で制作した。筆とクレヨン、さらに「吹き付け」技法によるリトグラフで仕上げたこのポスターは、街に貼り出されると一晩にして大成功を収めた。
「三菱一号館美術館コレクション〈Ⅱ〉トゥールーズ=ロートレック展」図録から引用
100年以上経った今でも、洗練された鮮烈なインパクトを与えますね。
表はブリキ(?)で覆われており、裏はコルクになっています。
アールヌーヴォーセットということでしょうか、スタンランの作品《黒猫》の缶に入っています。
全4種類入りで、うち下の2つがロートレックの作品ですね。
こちら、もったいなくて一度も使っていません〜!
そういえば、この時代の画家、スタンラン、シェレ、ボナールなどの作品は、ロートレックと混同されがちですよね…。特に、ボナールと混同されると悲しくなります…全然違うと思うのですが…。
マグネット
こちらもfridolinの品だったと思います。アールヌーヴォーセットなのか、スタンランやシェレの作品とともに入っていました。
ロートレックの作品のみを取り出して冷蔵庫に付けています。
左下は、カンカンを踊るダンサー、ジャヌ・アヴリルを描いたものですね。
ただメモを留めるだけで、ちょっとお洒落感が出ます。
書籍・図録
左、三菱一号館美術館の「トゥールーズ=ロートレック展」(会期:2011年10月13日~2011年12月25日)の図録と、TASCHEN(タッシェン)の「トゥールーズ=ロートレック 人生の劇場」です。
「トゥールーズ=ロートレック展」は、今から8年前、最終日の12月25日クリスマス当日に、突然思い立って一人で訪れたんだっけな〜。もともと「ロートレックってお洒落な作品を描くな〜」程度には興味があったとは思うのですが、カップルだらけのクリスマスの丸の内に一人で乗り込むとは、どうしたものでしょう。若気の至りでしょうか。笑
とにかく、ロートレックにハマるきっかけとなった思い出深い展覧会です。
図録の表紙~裏表紙は、《エグランティーヌ嬢一座》です。軽やかに踊る姿とは対照的に、その踊り子たちの表情はお互いにライバル心が剥き出しです! …この仲間割れ寸前のような様子(実際にこの後、仲間割れで解散したそうです)を宣伝用ポスターに描いてしまって良かったのでしょうか…さすがロートレックさん…。笑
TASCHEN(タッシェン)の「トゥールーズ=ロートレック 人生の劇場」は、1992年刊行のもの。ブックオフで見つけました。
マチアス・アーノルドという方が書かれたものを、日本語に翻訳した本です。厚い本ではありませんが、他の本には書かれていないことなど読み応えたっぷりに論じられています。ロートレックの生涯と、作品の背景についての理解が深まりますよ。
★改訂版も出ているようですね↓
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これからご紹介するものはすべて三菱一号館美術館の「パリ❤︎グラフィック―ロートレックとアートになった版画・ポスター展」(会期:2017年10月18日~2018年1月8日)で購入したグッズです。※以下、「パリ❤︎グラフィック展」と表記します。
カレンダー
卓上カレンダー 1,000円(税込)です。
月替わりでロートレックの作品が楽しめますよ。私は家に飾っていましたが、会社のデスクにも良さそうですね。
キーホルダー
《ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ》のキーホルダーです。
裏面はロートレック本人の写真になっています。1892年、27〜28歳の写真ですね。
バッグに付けていると、たまにキーホルダーが裏返って、ロートレックの面が表になってしまいます。すると、友人知人に「えっ。このおじさん誰…?」と訝しげに聞かれます(この写真まだ20代だよ!おじさんじゃないよ!というツッコミは心にしまっておきます)。
両面とも作品の絵柄でもよかったかも…。笑
とはいえ、一番愛用しているのはこのキーホルダーなのですがね。
もうひとつ購入した《エルドラド、アリスティド・ブリュアン》のキーホルダー。
《エルドラド、アリスティド・ブリュアン》は、前述の《アンバサドゥール、アリスティド・ブリュアン》の図柄を反転させたものですね。
「エルドラド」と「アンバサドゥール」2つの店で、同じ図柄を使うことで、ブリュアンの姿をより大衆に印象付ける効果を狙ったのだそうです。
通勤用のダレスリュック(YOUTAバッグというブランドのもの)に付けています。なかなかシックに決まっていますよね?
このキーホルダーがあれば、お洒落にランクアップできるのでお気に入りです。
★YOUTAバッグについて詳しくはこちら↓
ペンケース
【パリ❤︎グラフィック展限定】画家の色鉛筆ポーチ 2,400円(税込)です。
もともと、三菱一号館美術館では、学芸員がそれぞれの画家を象徴する色を6色ずつ選び、ペンケースにおさめた「ペインター色鉛筆」が販売されていましたが、こちらは「パリ❤︎グラフィック展」限定バージョンです。
展覧会の目玉商品「ロートレック作品原寸グッズ」のひとつで、ポスター作品の原寸サイズからトリミングしたデザインとなっています。
私が購入したのは、《エルドラド、アリスティド・ブリュアン》のポスター左下部分がトリミングされたデザイン。
中には、三菱一号館所蔵のポスター作品《悦楽の女王》を連想させる色味の色鉛筆6本が入っています。
タグ表面にはミュージアムショップ名「STORE 1894」、裏面には19世紀を意味するフランス語が。
汚したくないので、あまり使っていません。笑 色々な柄があったので、他にも買っておけばよかった…!
チケットホルダー
《ディヴァン・ジャポネ》のチケットホルダーです。
両面に挟めるようになっています。
コンサートや美術展に行った際には、内心「これ超カッコいいチケットホルダーでしょ~」と思いながら、ドヤ顔でチケットを取り出しています。笑
さいごに
思いの丈を綴っていたら、5,000字超えの記事になってしまいました…!笑
ミュージアムショップでちらほらと見かけるロートレックのグッズ。
特に彼のポスターなどのグラフィックアートは見せ方が上手く、その作品がデザインされた雑貨は「素敵!お洒落!」と思わず欲しくなってしまうんですよねぇ。困りものです。笑
これまで行った展覧会の賑わいから察するに、日本でもロートレックはそれなりに人気があるようですね。しかし、それでもまだ美術に興味のない方からの認知度はあまり高くはなさそうです。
ロートレックの魅力を分かち合える人がもっと増えたら嬉しいのにな~とひそかに思っています。
今後も私のロートレックコレクションは増えていくと思いますので、またいつか記事にまとめたいと思います。
(そういえば、竹久夢二の雑貨を集めるのも好きなので、私はグラフィックアートを好む傾向があるのかもしれない…と気付いたこの頃であります。夢二のグッズコレクションも公開しようかと目論んでいます♪ ブログって楽しいですね!笑)
★ロートレックをはじめ1,000点を超える世界の名画に、直にさわることができる(!)美術館はこちら↓