続・スリランカ旅行4日目。
キャンディ市内を観光したのち、ヌワラ・エリヤに向けて、紅茶畑の絶景が楽しめるという高原列車に乗車しました。
★キャンディで立ち寄った、地元民に人気の薬局「ボーワッテBowatte」についてはこちらの記事をどうぞ↓
高原列車とは?
キャンディ→ヌワラ・エリヤを結ぶ路線は、通称”高原列車(または紅茶列車)“と呼ばれています。
紅茶を運ぶためにイギリス植民地時代に導入された路線なのだそう。
紅茶畑が広がる雄大な景色を楽しめる、観光客にも人気のルートです。
★スリランカ鉄道局HP(英語、シンハラ語、タミル語)→http://www.railway.gov.lk/web/
路線図
スリランカを走る路線網(↑黒の実線で表示されています)のひとつであるMain Lineのうち、山岳地帯を走る区間の一部が、高原列車と呼ばれます。
上の路線図でいうと、Kandyから南に走り、Kandyと終点Badullaのちょうど真ん中あたりのNuwara Eliyaまでの区間です。
地図をもう少し拡大すると、各駅に赤いピンが立つので、それぞれの駅同士の位置関係もつかみやすいと思います。
(各ガイドブックやサイトによって高原列車の定義が若干違いますが、情報を総合するに、大体この辺のことを指していると思われます。「違うと思う!」という方がいたらごめんなさい)
★ちなみに、上のオープンストリートマップは、「右上のメニュー→レイヤー→交通マップ」で世界中の路線を地図上に表示できます。グーグルマップにはない便利な機能です。ぜひお試しあれ。
おすすめの区間は?
私は、キャンディからほど近いPeradeniya Junction(ペーラーデニヤ・ジャンクション)駅から、ヌワラ・エリヤの最寄りNanu Oya(ナヌ・オヤ)駅間の、約4時間の区間に乗車しました。
前半の南国らしさを感じる風景から、後半の冷涼な高原地帯へと移り変わる様子を楽しめます。
紅茶畑に差し掛かる頃には、「ほんとにさっきまでと同じ国!?」と思ってしまうほどの景色の変化ですよ。
時間に余裕がある方は、上記の区間、キャンディからヌワラ・エリヤまで乗車してみるのをおすすめします。
もし、お手軽に紅茶畑が続くハイライトだけ楽しみたいのなら、ヌワラ・エリヤからスタートするのがおすすめ。
ヌワラ・エリヤの最寄りNanu Oya(ナヌ・オヤ)駅から乗車し、約1時間のTalawakele(タラワケレ)駅またはHatton(ハットン)駅で降車します。
そのあと、再びヌワラ・エリヤに引き返したり、そのまま他の都市に向かうのもいいと思います。
おすすめの等車は?
展望列車、2等車、3等車、食堂車があり、展望列車は事前の予約が必要です。
展望列車以外は当日窓口で切符を購入できます。
ゆっくり座って乗車したいなら、展望列車か2等車がおすすめです。私も2等車に乗りました。
3等車と食堂車は地元民でごったがえして座れない可能性が高いそうです(それを楽しみたい方は乗ってみても良いかと)。
キャンディの街でランチを調達
さて、キャンディ市内の観光を終えて、チャーターしている車で駅に向かいます。
ちょうどお昼にかけて乗車するので、Delight Bakersに寄ってランチを買いました。
ボックスに入れてくれました。
ガイドさんのチョイスで、エクレア、揚げパン、サンドイッチ、リンゴ、ミニバナナです。
列車の中で食べました。
サンドイッチはカサカサパサパサしています。味自体は悪くないですが、全部は食べきれませんでした。笑
Peradeniya Junction駅に到着
キャンディの中心部から南西に数キロ、Peradeniya Junction(ペーラーデニヤ・ジャンクション)駅にやってきました。
マータレー、コロンボ、バドゥッラへの路線を結ぶ、主要駅のひとつです。
駅の周りは特に何もなく、のどかな風景が広がっています。
2等車のチケットを窓口で購入。
★時刻表はスリランカ鉄道局HPから検索できます→https://eservices.railway.gov.lk/schedule/homeAction.action
駅構内も、お昼時だからか、人があまりいませんね。
広々とした美しい駅です。
お手洗いは、駅に入って左手、ちょうど上の写真の女性の横あたりにあります。
特段、綺麗なトイレではないです(まぁ、スリランカでは普通なレベル)。
とにかく暑いので、屋根の下のベンチで列車を待ちます。
犬が寝転がっていたり、のどかでまったりした雰囲気です。
治安の悪さも特に感じませんでした。
レトロな列車が停車していたので、パシャリ。
駅員さんの真っ白な制服もまぶしいですね。
なんともノスタルジックな光景。
いざ乗車!
12:30、列車がやってきました。
急いで2等車に向かいます。
車内の様子
2等車の車内の様子です。
周りの乗客は、欧米人観光客数人の他は、ほぼスリランカ人でした。
2×2の座席配置です。
指定席で、我々は一番後ろの席でした。
革張りのシートで、座り心地は悪くないです。
シートピッチ(座席前後の間隔)も広めです。
クーラーはありませんが、天井に扇風機が付いています。
また、基本的に座席の窓と、列車の扉は開けっぱなし(!)なので、それほど暑さは感じませんでした。
ただ窓際の席の場合は日焼けには注意ですね。
一応頭上に荷物置きも付いていますが、私は電車の揺れで落っこちてきそうなので何も載せませんでした。
お手洗いは付いていますが、あまり綺麗ではありません。
水も流さないタイプでした。多分ボットン式トイレ?
まぁ、使えないレベルではないですが…。
車窓からの景色
Peradeniya Junction駅~Hatton駅
Peradeniya Junction駅を出発し、しばらくは建物が立ち並ぶ、のどかな街並みが続きます。
トンネルを通るときは、車内は電気が付いていないので真っ暗になります。
トンネルを通るたびに「フゥ~~~!!」と謎の歓声をあげるスリランカ人達。笑
そういう文化なのでしょうか…!? 楽しくていいですね。笑
Nawalapitiya(ナワラピティヤ)駅に到着しました。
列車が停車している間に、パンのような焼き菓子(揚げ菓子?)をかごいっぱいに入れた売り子の男性が乗り込んできました。
我々は昼食を持ち込んだので買わなかったのですが、日本円でいうと数十円ほどのお値段なので、トライしてみるのもいいですね。
気付けば、緑生い茂る丘陵地帯の景色に移り変わっていました。
列車が通り過ぎるのを、線路すれすれで待つ制服姿の少年。
ちょうど帰宅時間だったのでしょうか、線路脇や線路上をぞろぞろと歩く姿を目にしました。
荷物を持つサリーをまとった女性の姿も。
線路沿いの民家では洗濯物を干していたり。
現地の人々の生活を垣間見れて楽しいです。
そうこうしているうちに、Galboda(ガルボダ)駅に到着しました。
ここでも売り子の男性がやってきました。旅のおやつには困りませんね。
売り子の男性が、窓越しに乗客のペットボトルを受け取って、駅舎横の水道から水を注いであげているワンシーンも。サービスなのでしょうか。
ガイドブックには「生水を飲むのは絶対に避けて」と書いてあったのですが、水道水、ましてやあのような古びた蛇口からの水を飲んでもあたらないのでしょうか…と余計な心配。
生水への耐性がある人なのでしょうね、きっと。
Galboda駅を過ぎると、やっと紅茶畑が姿を現し始めました!
気候もだいぶ変わり、涼しくなってきました。
整然と整えられた紅茶畑が眼下に広がっています。
凹凸のある不思議な地形。
斜面に沿って、ずーっと向こうまで紅茶畑が続いています。
想像以上に広大です!
まだまだこの先にたくさんの紅茶畑が続きます。
これでまだハイライトではないなんて、信じられません。
紅茶畑の合間を縫って走り抜ける列車。
お、なにやら街が見えてきました。
次の駅が近そうです。
駅周辺の民家です。なかなか老朽化が激しいようですね…。
Hatton駅に到着しました!
ここまで来ると、ヌワラエリヤまであと1時間!
わりと大きめの駅です。
Hatton駅~Talawakele駅
この先のHatton駅~Talawakele駅~Nanu Oya駅の辺りが、もっとも紅茶畑が続くエリアです。
冒頭でおすすめの区間としてご紹介した通り、ヌワラ・エリヤ最寄りのNanu Oya駅から出発して、このHatton駅、もしくは次のTalawakele駅で折り返す人も多いようですよ。
ここから先は、もうほぼずーーっと見渡す限り、紅茶畑です。
茶摘みの作業をする女性達の姿も見えますね。畑の中のぽつぽつと見える白い姿がそれです。
大きな袋を担いで急斜面で作業をするのは、なかなかの重労働でしょう…。
整然と、しかしこんもりと茂る紅茶畑。
Talawakele駅に到着しました。
Hatton駅とNanu Oya駅のちょうど真ん中あたりに位置するでしょうか。
Talawakele駅~Nanu Oya駅
Talawakele駅を過ぎると、紅茶畑がより近くに見えます。
茶摘みをする姿も間近で見られちゃいます。
そういえば、列車のデッキの扉は開け放たれているので、列車の外につかまって乗っている人も。危険。
といいつつ、私も身を乗り出していますが。笑
日本じゃ絶対出来ないですね(危険ですのでマネしないでください)。
Talawakele駅を出て少しすると、Watagoda(ワタゴダ)駅に到着。
けっこう降りる人が多いですね。地元の人達かしら?
女の子がキティちゃんのTシャツを着ているのを発見。スリランカでもはやっているのかしら?
Watagoda駅を過ぎると、もやが濃くなってきました。
ここまで標高も高くなってくると、半袖だと寒いです。
木々の様子なんかも、熱帯の国とは思えませんね。
丘陵に沿って、うねるように続く紅茶畑。
生い茂る木々。なんだか幻想的。
わぉ、なんて雄大な景色。
Great Western(グレート・ウエスタン)駅に到着。とても小さな駅です。
秘境駅、といった風情。
目的地のNanu Oya駅まであとわずか。
崖のような地形もあったり。複雑に入り組んだ土地なんですね。
制服の女の子。長袖のカーディガンを羽織っています。
先ほどNawalapitiya駅のあたりで見た制服の子供達は半袖だったので、気候の違いを感じますね。
民家の畑が、とても綺麗に耕されていたので、思わず撮ってしまいました。
ここからはもう、ひたすらビシバシ写真を載せていきます。
手前から遠方の裾野まで、紅茶畑の大パノラマです。
眺望が良すぎて目が良くなりそう…(褒め方違うか。笑)。
本当に見渡す限り紅茶畑なんです。
私の一般的なデジカメの画角で切り取ってしまうのは非常にもったいない。
そして、せめて一眼レフの画質で撮るべきだった…。一眼レフ持ってないけど…。
ぜひ実際に、この景色を見ていただきたいです。
出発から約4時間。
ほぼ定刻で、目的地、Nanu Oya駅に到着しましたー!
4時間ほぼずっと列車から身を乗り出して風をあびていたので、若干寒気を覚えます(翌日風邪を引きました。笑)。
Nanu Oya駅周辺の街の様子
Nanu Oya駅に先に車で到着していたドライバーさんと合流。
ヌワラ・エリヤの街へ。
出発地のキャンディとは全く違う雰囲気のヌワラ・エリヤ。
街行く人々は皆ジャケットを着込んでいるし、マフラーを巻いてニット帽を被っている人までいます。
街中も南国感がありません。本当にこれまでと同じ国?
そして、なんだかこれまでの都市と顔立ちが違う人が多いな(彫りが深く、肌の色が若干色黒)と思ってガイドさんに聞いてみたところ、タミル人が多く住む地域なのだとか。
イギリス植民地時代に、茶園の労働力不足を補うために、インド南部から連れて来られた人々なのだそう。
スリランカは、シンハラ人74%、タミル人18%、ムーア人7%、その他1%の多民族国家。
あまり観光客が行くようなレストランやお土産屋さんは目につきませんでした。
比較的所得が低く、教育格差もあるそうだとガイドさんが言っていました。
なかなか根が深そうな問題ですね…。
とりあえず、紅茶をいっぱい買おう、と思いました(解決案としては安易すぎる?)。
なんとなーく、観光客がぶらぶらほっつき歩けそうな雰囲気でもなかったので、小さなスーパーでペットボトルの水だけゲットして、ホテルへ向かうこととします。
ホテルは、紅茶好きにはたまらない、元・紅茶工場を改装したヘリタンス ティー ファクトリーです♪
次回の記事でご紹介しますね。
さいごに
今回の旅でとても楽しみにしていた、キャンディ→ヌワラ・エリヤを結ぶ高原列車。
一面に紅茶畑が広がる、雄大な眺望を楽しめました。
スリランカにはいくつもの世界遺産がありますが、個人的にはそれらに匹敵するほどの見ごたえがありましたよ。
紅茶が好きな方はもちろん、鉄道が好き、美しい景色が見たい、という方はぜひ高原列車に乗車してみてくださいね。
★この日滞在したホテル、ヘリタンスティーファクトリーの宿泊記はこちら↓